カサブランカのメッセージ ♀×2 / 白鷹

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

 

 

所要時間:15分程度
利用規約をお読みいただきご利用下さい。

2019/3/2 利用規約を改訂しました。必ず読んでから上演をお願いいたします。

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

◆登場人物◆


 

愛梨(あいり)   ♀   17歳

    高校2年生
    真面目で引っ込み思案。消極的だが志穂とは仲良くしている


志穂(しほ)     ♀   16歳

    高校2年生
    とても明るい性格で誰とでもすぐに打ち解けられる

 


――――――――

役表

 

愛梨  (♀)・・・

志穂  (♀)・・・

――――――――――――――――――――――――
 

愛梨 「夏休み。学校に行く予定もないけどあたしは制服に着替えた。今朝入った一本の訃報。大切だった親友のお通夜に行く為に、両親は仕事で出掛けてしまっていたからどんな準備が必要か判らなくて少し戸惑っている。不意に玄関のベルが鳴った。」

愛理 「はーい! えっと、ドアホン・・・、タッチパネルなんか接触悪いな・・・? ・・・っ?! え?!」

志穂 「やほー!愛梨」

愛梨 「え??ちょ、ちょっと待って、え?え、あ、あれ??」

志穂 「なあに? そんな驚いて」

愛梨 「だ、だって、あ、朝の電話で・・・、え、とちょっと待って! 今行くー!!」

志穂 「うん」

愛梨 「・・・、やっぱり、志穂だ、あっれ? おっかしいな」

志穂 「てか、どうしたの? そんな驚いた顔して」

愛梨 「だ、だって・・・、朝、電話で、し、志穂が・・・、亡くなったって」

志穂 「はあああああ?? ちょっと待ってよ、何その悪質なイタズラ誰? そんな電話して来たの」

愛梨 「し、志穂のお母さん」

志穂 「はあ?マジで言ってんのあたしこの通り生きてるし、寝ぼけたんじゃないの?」

愛梨 「ね、寝ぼけてとかっ・・・、そ、そんな・・・、こと、・・・、ない。うん、ない・・・はず、かもしれない。そ、そりゃまぁ、昨日夜更かししたからちょっと起きるの遅くて電話取った時は寝ぼけてたかもしれない、け・・・、ど」

志穂 「で? 制服? まさかあたしのお通夜とかお葬式とかいうんじゃないでしょうね」

愛梨 「う・・・」

志穂 「マジかー。勘弁してよね」

愛梨 「う・・・、ゴメン」

志穂 「愛梨ってさー、夢の中で宿題やって現実と勘違いして宿題忘れたりとかしそう」

愛梨 「う・・・、あはは・・・、・・・は」

志穂 「まーさーか、経験あるとか?」

愛梨 「あ、あはは」

志穂 「あるんだ」

愛梨 「2年生になって即行やったわ」

志穂 「マジか! あはははは! ウケるそれ」

愛梨 「と、とにかく入ってよ。話したい事沢山あるんだ」

志穂 「うん、あたしも」

 

 

 

愛梨 「縁側、気持ちいいでしょ、風通しが良くて。あ、ごめんね、オレンジジュースしかなかった、ごめんね」

志穂 「ううん? ありがと。縁側があるって今時珍しいね」

愛梨 「うん、元々おじいちゃんの時代に建てたらしくてリフォームしながら使ってるから」

志穂 「そうなんだ。ホントに風が気持ちいい」

愛梨 「ちょうどあの大きな金木犀が影を作ってくれるから、エアコンいらないんだ」

志穂 「いいなぁ」

愛梨 「あの、ね、志穂」

志穂 「んん?」

愛梨 「・・・、・・・っ、・・・。あ、の・・・。ごめん、ね。志穂」

志穂 「んん~? なに、いきなり」

愛梨 「ずっと辛かったよね、あの・・・」

志穂 「いじめの事?」

愛梨 「ん・・・。は・・・っ、胸が、痛い、よ」

志穂 「ショックだったよ、実際。愛梨は親友だから助けてくれると思ったもん」

愛梨 「ごめん・・・、なさい」

志穂 「でも、仕方ないよね。あいつらに逆らうと愛梨まで標的にされちゃうもん。せめて、加わらなかっただけでもいいとするか」

愛梨 「傍観者は、いじめのグループと一緒だよ!」

志穂 「・・・っ?!」

愛梨 「ごめん」

志穂 「キレイごと。そんな事言ったって実際かばえる人がどれくらいいる? あたしだって逆の立場だったら愛梨のタテになれる自信なんかない」

愛梨 「でも・・・、相談にくらい乗ってあげればよかったって」

志穂 「相談したって現状は変わらないよ」

愛梨 「一回、担任には話したの、でも・・・、解決にならなかった。それに、その後チクったの誰だって話になって、怖くなっちゃって、その後から何もできなくて」

志穂 「だからもういいって。愛梨なりに一生懸命だったのは知ってるし」

愛梨 「う、ん・・・。あ、志穂の話って?」

志穂 「あー、うん。夏休み明けに体操服、貸して欲しいなと思って」

愛梨 「・・・、た、体操服?」

志穂 「うん、例のいじめで切り裂かれちゃってさ・・・、予備も・・・、ね。ちょっと誤魔化して親に3枚くらい買い足して貰ったんだけど、全滅。これ以上買ってもらうの苦しいなって、さ」

愛梨 「よ・・・、四枚目だったの?」

志穂 「うん、さすがにまずいでしょ? 安くないもんね」

愛梨 「う・・・、うん。そ、そんなのいくらでも言ってよ! 教科書でも体操服でもシューズでもなんでも!」

志穂 「ちょ、さすがに教科書はまずいでしょ。愛梨どうやって授業受けるのよ」

愛梨 「あ、そっか」

志穂 「はあぁぁぁ・・・、ボケは天然だったか」

愛梨 「ちょ、なに?それヒドイ」

志穂 「大体シューズとか、あたしいやだし」

愛梨 「・・・、うん、ゴメンあたしもちょっとイヤだわ」

志穂 「だよね」

愛梨 「あははははは」

志穂 「ふふふふふふ、も、おっかしーの、愛梨ってば」

愛梨 「・・・ごめん!!」

志穂 「え??」

愛梨 「四枚目だなんて知らなかったの!!」

志穂 「え?」

愛梨 「そんなにひどいことになってるなんて!!」

志穂 「どういうこと?」

愛梨 「た・・・、体操服この間のやつやったのあたしなの! あたしが切り裂いたの!!」

志穂 「え・・・、愛梨・・・??」

愛梨 「やらないと次はあんただよって言われて、あいつらに監視されてて逃げられなかったの!」

志穂 「そ・・・、な、んだ」

愛梨 「ごめんなさいなんかじゃ許されないよね?」

志穂 「愛梨、が」

愛梨 「だから体操服くらいいくらでも貸すから!!」

志穂 「う・・・ん」

愛梨 「夏休み明けたらもう逃げたりしない!」

志穂 「・・・ん」

愛梨 「志穂と一緒なら何があっても大丈夫だから!一緒にあいつらと戦うから!!」

志穂 「うん・・・、ありがとう」

愛梨 「ごめんね」

志穂 「実はねー、あいつらさーお金強請ってきてたりもしてたんだよねー。金額もバンバン上がってくし」

愛梨 「お、金まで?」

志穂 「耐えられなくってさーなんかのお知らせかもしれないね、愛梨の朝の夢」

愛梨 「え?」

志穂 「昨日の夜ねー、どうかしてたんだわーお風呂で手首切ってさ」

愛梨 「え!?」

志穂 「あ、でも、すぐに病院連れて行かれて、処置してもらって今は平気」

愛梨 「なんで!!そんな事!!」

志穂 「魔が差したのかなー? でもやっぱさ、生きて愛梨とこうして話ができてさ・・・生きててよかったと思うよ?」

愛梨 「うん、・・・うん生きててくれて良かったよかったよぉ」

志穂 「うん、ホントの事沢山聞けたし、良かった」

愛梨 「今度こそ、本当にちゃんと向き合っていくから」

志穂 「ありがとう」

愛梨 「これからも、ずっと友達でいようね? あ・・・、気持ちいい風が吹いてきた」

志穂 「そうだね、ずっと一緒にいようね」

愛梨 「うん! 志穂、大好きだよ・・・、・・・っ? 、って、え? あれ? 志穂? 志穂? どこに行ったの? え? 今の一瞬で消えたとか、志穂? ちょっと変な冗談。・・・っ?! 何これ? 一輪挿し? さっきまでこんなの・・・、コレ、カサブランカっていう、百合? なに? なん、で? やだ、勝手に倒れてっ!! や、水が・・・っ!! 水・・・っ、血? や、やあああ!! いや! いやあああ!! 血が! 血が廊下に!! だ、だれか! いやあああああああ!!」

志穂 「ふふ、ふふふ」

愛梨 「いや!! スカートまで! 血が染みこんで!!  違う・・・? これ、あたし、の・・・、血」

志穂 「ずーっと、探してたの。体操服を切り刻んだ、は・ん・に・ん」

愛梨 「ん、ぐ・・・、ぅ、く、くるし・・・。いや! 志穂、は、なして」

志穂 「大丈夫、すーぐ、楽になるから」

愛梨 「あ、がっ! ぐぅ!! や・・・、いたい、痛い!!志穂!!やめて!! いやああぁ!!」

志穂 「あはは、うふふ、やーっと、見付けたの」

愛梨 「うぐぁ、あ、ああぁ、い、い、た」

志穂 「ふふ。痛くなんてないはずでしょ? だぁって、愛梨はもう・・・、死んでるんだもの、うふふ」

愛梨 「ぁ・・・」

志穂 「ずっと一緒、愛梨。約束したもんねぇ?」

愛梨 「あたし・・・、死んだ、の?」

志穂 「そ。これからいじめの主犯の所に行こうね・・・、うふふ、あははは・・・、あーっはっはっは」